競合価格・相見積もりへの返し方

他社より高いと言われた時はどう返す?|営業の例文と比較表

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他社より高いと言われたら、比較条件をそろえ、その差が必要か確かめて次の案を選ぶ

読了目安 約8分 · 公開 · 更新

他社より高いと言われたら、すぐに値引きせず、価格に含まれる範囲・期間・支援が同じかを確認します。条件をそろえても高い場合は、差額に対応する内容が相手に必要かを確かめ、現行条件・範囲変更・追加確認・見送りを相談します。

最初は、こう返せます。

「教えていただきありがとうございます。価格に含まれる範囲・期間・支援内容が同じ条件か、確認してもよろしいでしょうか。共有できる項目だけで構いません。」

法人営業向けの例文と比較表です。編集部の実務用の提案で、会話・会社は架空です。実際の見積もり・共有権限・承認済み条件に合わせて使ってください。

他社より高いと言われた時の返し方|場面別の営業例文

相手の言葉に合わせ、条件の確認、社内への調整確認、確かな差の説明、見送りの受け止めを選ぶ

「他社の方が安い」だけでは、値下げの相談か、条件差の質問か、選定結果の連絡かは分かりません。相手の言葉に合わせて返します。

相手の言葉 返し方の例 次に確かめること
他社の方が安いです 「価格に含まれる条件が同じか、確認してもよろしいでしょうか」 範囲・期間・支援内容
同じ条件で価格を合わせられますか 「価格のご相談として承りました。比較条件を確認したうえで、調整可否を社内に確認します」 同条件か、自社の価格・承認ルール
価格差の理由は何ですか 「確認できている差を項目ごとにお伝えします。必要のない範囲を外せるかも確認します」 差額に対応する内容と必要性
高いので見送ります 「ご判断を承知しました。本日はありがとうございました」 説明を求められた場合だけ応じる

比較を望まれなければ、ここで区切ります。値下げを求められても、権限のない約束はしません。調整方法や断るメールは「値引きを求められた時の返し方」で扱います。

相見積もり比較表|4つの条件をそろえる

相見積もりは価格、範囲、期間、支援の4項目をそろえ、同じ・違う・未確認を分ける

同じ製品名でも、価格に含まれる作業が異なることがあります。まず期間と数量をそろえ、何に対する価格かを確認しましょう。分からない条件は「未確認」と残します。

次のひな型に確認できた条件を記入します。自社価格を基準と決めず、両案を同じ項目で見てください。

項目 確認する前提 自社案 他社案
価格の表示 通貨、税込・税抜、単価・総額、数量・利用量 確認値 確認値/未確認
費用の内訳 初期費用、継続費、必要な追加費用、支払時期 確認値 確認値/未確認
範囲 対象拠点・利用者・業務、初期設定・移行、対象外 含む/含まない 含む/含まない/未確認
期間 利用開始、契約期間、価格の適用期間、更新後 確認値 確認値/未確認
支援 導入・教育・問い合わせ・障害・復帰の担当と範囲 確認値 確認値/未確認
対応条件 受付時間、連絡方法、顧客側が担う作業 確認値 確認値/未確認
終了時の条件 解約時費用、返却・移行作業など比較に必要な条件 確認値 確認値/未確認

自社案も不明な条件は推測せず「未確認」にします。各行を「同じ・違う・未確認」に分け、判断を左右する未確認には担当者と確認予定日を添えましょう。

範囲の差は、外した後の仕事まで比べる

初期設定や移行を外しても、仕事自体がなくなるとは限りません。顧客側で誰が担えるか、時間や体制も確認してください。使わない機能や支援を価格差の根拠にしないことも大切です。

期間の差は、初年度と更新後を分ける

月額と年額、初年度の割引と更新後の価格は分けます。同じ期間の初期費用・継続費を並べ、価格の確定期間と再確認が必要な期間も記入してください。

支援の差は、「サポートあり」の中身を見る

窓口があることと、設定・教育・障害復旧まで担当することは別です。何が起きた時に、誰が、いつ、どの範囲まで対応するかを確認します。

この比較表は投資効果の計算前に使うものです。ROIや総費用の計算は「営業のROI説明」、自社価格に何が含まれるかの説明は「価格の根拠を説明する方法」へ分けます。

相見積もりの情報は、共有できる範囲だけで確認する

共有の可否を確かめ、必要な項目だけを尋ね、開示できない情報は未確認として残す

競合の見積書の開示を、比較の前提にしません。共有できる依頼条件・項目の有無・期間など、必要な情報だけを尋ねます。価格帯や差の方向だけでも、共有権限があるとは限りません。

「見積書そのものは不要です。共有できる範囲で、初期設定が含まれているかだけ確認できますか。」

開示できない項目は未確認とし、自社案の条件を示します。開示を迫らず、各社の購買・情報管理・契約上のルールに従ってください。

状態 比較表に残すこと 次の対応
同じ 共通の条件と確認日 その条件に対する価格差を見る
違う 含む・含まない内容 差が今回必要か、外せるかを確かめる
未確認 不明な項目と判断への影響 確認できる担当者と予定日を相談する
比較対象外 今回比べない理由 必要なら別の判断資料へ分ける

同じ条件でも他社より高い場合|差額と選択肢を示す

条件を比較した後の選択肢は、現行条件、範囲変更、追加確認、見送り。必要な差を確かめて選ぶ

範囲・期間・支援をそろえても、価格が同じになるとは限りません。確認できた提供体制や作業の差を比較表に追記し、その差が相手に必要かを確かめます。

説明できる違いがなければ、「確認した条件では当社の方が高い状況です。価格調整や範囲変更が可能か、社内で確認します」と伝えます。価格を合わせられると約束せず、確認する項目と回答予定日を相談します。

ミナトの商談例|違いがあっても、必要とは限らない

架空の北辰ロジスティクスとの商談でも、ミナトは価格調整を先に考えていました。

ミナト

同じ内容への価格差なのか、まだ確認できていません。

矢野

違いがあることと、その違いを北辰が買うべきことは別ですね。

必要性を確認したうえで、次の4案を示します。

選択肢 示す内容 確認点
現行条件で検討 差額に対応する内容、確認済みの条件 相手に必要で、予算に合うか
範囲を変えて再見積もり 外す作業・支援と変更後の条件 顧客側へ戻る仕事を誰が担うか
追加確認してから判断 分からない項目、確認者、予定日 何が分かれば比較できるか
今回は見送る 合わなかった条件と決定事項 希望のない再提案を重ねない

支援を外して現場の負担が増えないかも確認しましょう。再見積もりには、価格と範囲・期間・支援の変更点を示します。特別条件は対象・期間・更新時の扱い・承認者を確かめてから提示してください。

他社より高いと言われた時に避けたい返し方

条件から確認し、確かな差だけを説明し、承認した範囲で返す。競合条件を推測しない
反射的な返し 問題になる点 代わりに伝えること
「どこまで下げれば決まりますか」 価格以外の条件を確認していない まず同じ条件への価格かを尋ねる
「弊社の方が品質は高いです」 品質の中身が分からない 確認できた作業・支援の差を示す
「他社は後で費用が増えます」 確認していない競合条件を断定する 不明な費用は未確認と記録する
「今回だけ特別にします」 適用条件や更新後の扱いが不明 承認済みの対象・範囲・期間を伝える

期限付き価格を示す場合も、実在する期限と、その後に何が変わるかを伝えます。相手の決断を急がせるための締切は作りません。

価格の公平感について、参考にした研究

Bolton・Warlop・Alba(2003)は、消費者が価格の公平さを判断する際に、過去価格・競合価格・売り手の原価などを参照することを扱っています。価格差を説明すれば納得してもらえる、と保証する研究ではありません。

Kahneman・Knetsch・Thaler(1986)も市場取引の公平感を扱っています。両研究をBtoB相見積もりの成功手順へ一般化せず、自社価格だけを基準にせず比較条件を確かめるための参考にしています。

相見積もりの商談メモ|次の確認を一つ残す

比較した前提、同じ・違う・未確認、選んだ案、次の担当と予定日を記録し、営業の見立てと合意を分ける

比較表から合意・未確認・営業の見立てを分け、相手が訂正できる形で共有します。

相見積もりの確認メモ

比べる期間・数量:
価格表示の前提:通貨/税込・税抜/初期・継続費

同じ条件:
違う条件と、その必要性:
未確認の項目・確認者・予定日:

選んだ案:現行条件/範囲変更/追加確認/見送り
変える場合に顧客へ戻る仕事・担当:
承認が必要な条件と承認者:

次に自分がすること:
共有してよい情報・相手:

最初からすべて埋めなくて構いません。次の一件では、判断に影響する未確認を一つ選び、誰がいつ確認するかを残しましょう。

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よくある質問

顧客ごとに価格が違うと、不公平になるのでしょうか?

価格が違うことだけで判断せず、数量・範囲・契約期間・支援などの条件と、自社の価格規程を確認します。同じ判断基準を別案件にも説明できるか、例外の根拠と承認を記録できるかが確認点です。個別価格の可否は営業担当だけで決めず、責任部署へ確認してください。

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