Tomorrow's negotiation lab

営業ロープレを一人で練習する

失敗から学び、返答を選び直し、別の場面で試した一問を商談ノートへ残す

失敗例から返し方を選び直し、別の商談でも試します。「検討します」の3分練習から始める。

「検討します」「沈黙」「他社比較」の練習では、開始・完了と判断パターンを端末に残し、固定の選択項目と進行を利用状況の計測に使います。書いた一問の本文は送信せず、保存ボタンを押したときだけ端末内の商談ノートへ残します。他の4ケースの分岐選択は保存・送信しません。

商談前の3分を目安に、一つの場面を練習します。途中で戻ったり、別の返答を比べたりして構いません。

Case 01 / 沈黙

営業ロープレ:説明後の沈黙への返し方

説明のあとの沈黙を決めつけず、必要な情報を確かめ、答えを聞いて次の行動を選ぶ

物語「説明したのに、何も聞けなかった」営業ヒアリングの質問を確かめる

  1. 場面
  2. 気づく
  3. 学ぶ
  4. やり直す
  5. 持ち帰る

会話と反応は架空の練習例です。実際の相手の気持ちや反応を予測するものではありません。

練習を始める

機能と料金を説明したあと、顧客は資料を見たまま黙っています。何を考えているかは、まだ聞いていません。

今日のテーマ:説明を足す前に、判断しにくい点を確かめる

目安は3分。戻って比べても、途中で終えても構いません。

まず会話を見る

営業
分かりにくかったですか? もう少し詳しく説明しますね。
顧客
……はい。

どこがズレたか選ぶ

営業側の行動で、見直せそうなのはどこですか。

時間が足りなかったかは未確認です。顧客から、追加してほしい内容は聞けていません。

追加説明へ進めたことは確認できます。「はい」だけでは、沈黙の理由や必要な情報は分かりません。

拒絶かどうかも未確認です。黙っていることと、本人の判断は分けて扱えます。

事実と未確認を分ける

会話から確認できること

  • 説明のあと、顧客は黙って資料を見ていた。
  • 営業は理解しにくかったかと聞き、追加説明を申し出た。

まだ分からないこと

  • 説明が分からなかったのか、考える時間が必要なのか。
  • 何を判断したいか、今日は終えたいか。

「はい」という返事も、理解できたことや追加説明が必要なことの確認にはなりません。

言い方を点検する原理

認知負荷

新しい情報を一度に頭の中で扱える量には限りがあり、説明の量や順序が負担に関わります。

この場面なら
説明を増やす前に、どの判断に必要な情報かを確かめ、そこから案内します。
使うときの注意
沈黙だけで情報過多とは判断できません。短くするために必要な条件を隠すことも避けます。
明日使うなら
判断しにくい点を一つ尋ねる。返事がなければ、待つか今日は区切る。
詳しく読む・出典

教育・学習の研究を、説明を組み立てる点検に応用しています。以下の会話は編集部の練習例で、沈黙の原因や商談の成果を測ったものではありません。

Swellerほか(2019)認知負荷理論のレビュー

同じ場面をやり直す

説明のあと、顧客は黙って資料を見ています。今なら、どう返しますか。

返答の違いを比べる

返し方ごとに、良い点と注意点を比べます。

A:もう一度最初から説明します

良い点:聞き直したいと言われた場面なら、再説明が役立ちます。

注意点:この場面では再説明が必要か聞いていません。

顧客の返答例
最初からではなく、運用のところだけ確認したいです。

この例で確認できたこと

運用の部分を確認したいと述べた。

まだ未確認

運用のどの点か、必要な説明、導入の判断。

短期の反応と長期の注意

必要な部分を言い直してもらえる場合があります。説明が続く場合もあります。

毎回説明を足すと、相手が判断したいことを聞く時間が減るおそれがあります。

B:いま判断しにくいところがあれば、そこだけ一緒に確認できます

良い点:判断したい点を本人に確かめ、説明の範囲を選べます。

注意点:答えを求め続けず、考える時間や終了を残します。

顧客の返答例
担当者が毎日どの作業をするのか、まだ想像できていません。

この例で確認できたこと

日々の担当作業を確認したいと述べた。

まだ未確認

必要な作業量、支援の範囲、導入するか。

短期の反応と長期の注意

未確認が一つ話題になることがあります。返答がなくても理解済みとは記録しません。

一つ分かっても、条件が全部そろったとは限りません。次回が必要かも相談します。

C:問題なさそうですね

良い点:確認を短く終えられる言い方です。本人の確認が済んだ場面なら使えます。

注意点:沈黙を問題なしと扱い、訂正する負担を相手に渡しています。

顧客の返答例
いえ、まだ資料を読んでいるところです。

この例で確認できたこと

資料を読んでいる途中だと述べた。

まだ未確認

理解した範囲、判断に必要な情報、次に進みたいか。

短期の反応と長期の注意

前提を訂正される場合があります。訂正がない場合も同意とは限りません。

未確認を解消済みと記録すると、後の説明や引き継ぎにずれが残ります。

別の場面で試す

ヒアリングで予算・時期・人数を続けて聞くと、顧客が「どれから答えればよいですか」と言いました。次はどうしますか。

相手は答える順序を尋ねています。質問を足す前に、一つへ戻れます。

話す量を減らすだけでなく、目的に沿って順序を整えています。答えにくい項目は後に回したり、聞かずに終えたりできます。

相手の条件を推測で埋めています。質問を減らしても、未確認の欄は未確認のまま残せます。

明日の一問を持ち帰る

今日覚えること:判断しにくい点を一つ尋ねる。返事がなければ、待つか今日は区切る。

練習した場面:説明後の沈黙

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

営業ヒアリングの質問を読む

次の3分ケースへ:他社より高いと言われたら

3分の使い方へ戻る

Case 02 / 競合価格

営業ロープレ:『他社より高い』と言われた

他社比較では価格だけでなく範囲・期間・支援をそろえ、同じ・違う・未確認を分ける

Season 2 Episode 05の営業ノートROIと総負担のそろえ方を確かめる

  1. 場面
  2. 気づく
  3. 学ぶ
  4. やり直す
  5. 持ち帰る

会話と反応は架空の練習例です。実際の相手の気持ちや反応を予測するものではありません。

練習を始める

見積説明で「他社より高い」と言われました。他社の範囲・期間・サポートは、まだ確認していません。

今日のテーマ:価格を正当化する前に、比較する範囲と期間をそろえる

目安は3分。戻って比べても、途中で終えても構いません。

まず会話を見る

顧客
他社より高いですね。
営業
その分、サポートが手厚いです。長い目で見れば安いですよ。

どこがズレたか選ぶ

営業側の行動で、見直せそうなのはどこですか。

良さが相手に必要かは未確認です。比較条件を聞く前に、自社の基準で話を進めています。

範囲や期間を聞かずに、長期なら安いと述べています。本当に安いか、支援が必要かはまだ分かりません。

値引きで解決するかも未確認です。同じ条件の差かを確かめる前に、値下げ幅だけを決められません。

事実と未確認を分ける

会話から確認できること

  • 顧客は「他社より高い」と言った。
  • 営業はサポートの手厚さと、長期なら安いと説明した。

まだ分からないこと

  • 同じ範囲・期間・サポートを比べているか。
  • 顧客に必要な支援、実際の総額、予算の条件。

高いと言われた事実と、同じ条件で比べた価格差は分けて確認します。

言い方を点検する原理

アンカリング

数値を見積もるとき、最初の値が判断の出発点となり、後の見積もりにも影響することがあります。

この場面なら
営業側が他社価格だけを目標にしていないかを点検し、比べる範囲と期間へ戻ります。
使うときの注意
顧客の比較が誤りとは限りません。高い見せ値で印象を変えたり、心理の偏りと診断したりしません。
明日使うなら
共有できる範囲で、対象・期間・支援をそろえる。不明な条件は埋めずに残す。
詳しく読む・出典

数値判断の研究を、営業側の比較の進め方へ応用した練習です。この発言だけでアンカリングが起きたとは判定できません。顧客の反応例は編集部の創作です。

Tversky・Kahneman(1974)不確実な状況での判断

同じ場面をやり直す

顧客「他社より高いですね」。今なら、どう返しますか。

返答の違いを比べる

返し方ごとに、良い点と注意点を比べます。

A:価格差はありますが品質が違います

良い点:具体的な品質差を確認できていれば、違いを説明する入口になります。

注意点:この場面では、他社の品質や相手に必要な条件を確認していません。

顧客の返答例
品質というのは、どの仕事の違いですか。

この例で確認できたこと

品質差の具体的な説明を求められた。

まだ未確認

他社の条件、本人が必要な品質、価格差の内訳。

短期の反応と長期の注意

具体的な違いの質問につながる場合があります。

必要性を確かめずに優位性を主張すると、用途と提案のずれが残るおそれがあります。

B:比較されている範囲・期間・サポート条件を一度そろえてもよいですか

良い点:高いという指摘を受け止め、比較する単位を確かめます。

注意点:秘密の見積書を求めず、共有できる項目だけを扱います。

顧客の返答例
他社は初期支援が別料金です。3年間の総額で比べたいです。

この例で確認できたこと

初期支援が別料金で、3年間の総額を比べたいと述べた。

まだ未確認

実際の総額、ほかの対象範囲、最終的な選択。

短期の反応と長期の注意

同じ条件と違う条件が見える場合があります。分からない点は確認待ちにします。

条件をそろえても自社が安いとは限りません。保留や他社を選ぶ判断も残ります。

C:どこまでなら予算に収まりますか

良い点:予算の上限が判断を止めているなら、制約を確認する入口になります。

注意点:この場面では、予算が理由か未確認です。回答は値引きの合意ではありません。

顧客の返答例
上限よりも、同じ仕事を頼んだ場合の総額を知りたいです。

この例で確認できたこと

同じ仕事を頼む場合の総額を知りたいと述べた。

まだ未確認

仕事の範囲、期間、総額、予算の上限。

短期の反応と長期の注意

予算ではなく比較条件へ話を戻される場合があります。

予算だけへ合わせようとすると、必要な支援を外したり未承認の価格を約束したりするおそれがあります。

別の場面で試す

別の顧客から「他社の額に合わせて値引きしてほしい」と言われました。他社の対象範囲は不明で、値引きも未承認です。次はどうしますか。

条件も権限も未確認です。相手が示した額へ近づける前に、何に対する価格かを確かめられます。

比較の単位と、約束できる範囲を分けています。条件がそろってからも、変更可否や負担の確認は必要です。

別の数字を見せても、他社との条件差には答えません。実際の範囲と内訳を比べられる形へ戻せます。

明日の一問を持ち帰る

今日覚えること:共有できる範囲で、対象・期間・支援をそろえる。不明な条件は埋めずに残す。

練習した場面:他社との価格比較

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

他社より高いと言われたときの返し方を読む

次の3分ケースへ:検討しますへの返答

3分の使い方へ戻る

Case 03 / 値引き

営業ロープレ:『最後にもう一声』と求められた

変更できる価格・範囲・納期・サポートを分け、変わる負担も確認する

Season 2 Episode 07の営業ノート外す範囲と残る仕事を確かめる

6つの手順で練習

会話と反応は練習用の架空例です。実際に同じ反応が返るとは限りません。

1. 失敗例を見る

価格・導入範囲・支援責任を説明したあと、顧客から『内容はこのままで、最後にもう一声お願いします』と求められました。

営業
「今日決めていただけるなら、値引きを上司に頼みます。」
顧客
「まだ社内で確認が必要なので、今日は決められません。」
この商談で分かっていること・未確認

確認済み

  • 現行価格と対象範囲は承認済み
  • 追加値引きには社内承認が必要
  • 顧客は内容を維持した値引きを求めている

まだ分からない

  • 価格がどの判断を止めているか
  • 数量・期間・支払条件を変えられるか
  • 範囲やリスク負担を変えた案を比較する意思

2. 問題点を選ぶ

営業側のどの行動を見直せそうですか。

ここで点検したい二点です。相手の判断時間と、自分が約束できる条件を分けます。

未承認の幅を具体的にしても問題は解消しません。実現可能性と判断条件が先です。

分かるのは社内確認が必要ということです。購入意欲を推測して理由にしません。

必要な社内確認を聞かずに、値引きと今日の決断を結び付けました。値引きの承認もありません。

3. 原理を学ぶ

心理的リアクタンス

選ぶ自由を脅かす強い言い方は、反発や否定的な考えを招くことがあります。

値引きと即決を結び付けず、承認済みの条件を伝えます。条件変更を比較するか、保留するか、見送るかを相手が選べるようにします。

この原理の限界と出典

この返答から反発が起きたとは判断できません。「自由に選べます」と付け加えるだけで結果が変わるとも言えません。

Li・Shi(2025公開/2026巻)言い方と心理的リアクタンスのメタ分析

4. 同じ場面で選び直す

価格・導入範囲・支援責任を説明したあと、顧客から『内容はこのままで、最後にもう一声お願いします』と求められました。最初の一言を選んでください。

現行条件は承認済みですが、追加値引きは未承認です。約束できる範囲を区切って答えます。

5. 反応と未確認を比べる

返答例ごとに、分かったことと残る問いを比べます。

A:『分かりました。どこまで下げられるか持ち帰ります』

「同じ内容で調整いただけるのですね。回答を待ちます。」
短期の反応
返答期限は作れるが、値下げ可能という期待が先に確定する。
この例で確認できたこと
顧客は同じ内容の値下げを期待している。
まだ未確認
承認の可否、価格が止める判断、変更できる条件。
長期に残りうること
承認されない場合や範囲変更が必要な場合、約束の訂正から始めることになる。
リスクと、振り返る問い

顧客要望を受け取ることと、実現可能性を伝えることが混ざる。

持ち帰る対象を、価格だけでなく条件として言い直せたか。

B:『これ以上の値引きはできません』

「承知しました。では社内で見送りも含めて検討します。」
短期の反応
境界は明確になる。一方で、何を維持した判断か、代替案があるかは共有されない。
この例で確認できたこと
顧客は見送りを含めて社内で検討すると述べた。
まだ未確認
価格が止めている判断と、別案を比較したいか。
長期に残りうること
現行条件が合うなら進められるが、価格が止める判断は空欄のまま残る。
リスクと、振り返る問い

説明を重ねて断りを覆そうとすると、明確な境界が再び曖昧になる。

断ったあとも、保留・終了を同じ強さで選べる返答になっているか。

C:『現行範囲と責任を保つ追加値引きはできません。条件を変える案なら並べて確認できます』

「支援回数を変えた案と、現行案を比較したいです。」
短期の反応
維持する境界と変更可能な条件が分かれる。契約・見送りはまだ確定しない。
この例で確認できたこと
支援回数を変えた案と現行案の比較を望んだ。
まだ未確認
変更案の承認、顧客に戻る仕事、契約の判断。
長期に残りうること
価格変更で顧客側へ戻る仕事とリスクを含め、総負担から選び直せる。
リスクと、振り返る問い

条件変更案が実質的な誘導にならないよう、現行案・保留・合意しない選択も残す必要がある。

価格、範囲、責任のうち、何を守り、何を再検討するか説明できるか。

6. 別の場面で試す

別の商談で「検討します」と言われました。判断に必要な情報はまだ聞けていません。次の一言を選びます。

決断を急がせる形が繰り返されています。調整の権限も確認が必要です。

保留を残し、判断材料を尋ねています。相手が答えたくない場合は、そのまま終えられます。

価格へ話を狭めています。価格の発言がなければ、まず不足する情報を広く尋ねられます。

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

3分の使い方へ戻る

Case 04 / 怒り

営業ロープレ:正しい説明をしても、相手の怒りが強い

困った影響を受け取り、事実を確かめ、次の対応を相談する

物語「正しい返事をしても怒りが消えない」クレーム対応の順序を確かめる

固定分岐ロープレ

正しい説明をしても、相手の怒りが強い:最初の一言を比べる

顧客は『何度説明しても、こちらの困りごとを聞いてもらえない』と強い口調で話しています。安全上の緊急事態は確認されていません。最初の一言を選んでください。

確認済み

  • 顧客は同じ問い合わせを二度行っている
  • 会社側には規程どおり対応した記録がある
  • 現時点で脅迫・暴力・長時間拘束はない

まだ分からない

  • 顧客が最も困った具体的な影響
  • 会社側が受け取った内容のずれ
  • 事実確認、訂正、別窓口のどれを望むか

最初の一言を一つ選ぶ

分岐 A

『当社は規程どおり対応しています』

その説明は前にも聞きました。私が困ったことは記録されていますか。

短期の結果
会社側の事実は示せるが、申出の影響と理解の訂正が置かれない。
長期の状態
同じ事実説明を繰り返し、顧客は受け取られていない感覚を強める可能性がある。
解約・撤回リスク
正確さを守るほど、何の問いへの答えかが見えなくなる。
振り返る問い
規程説明の前に、相手のどの言葉を受け取ったか示せたか。

分岐 B

『すべて当社の責任です。必ずご希望どおりにします』

では、今日中に全部直してもらえるのですね。

短期の結果
怒りを受け止めたように見えるが、未確認の責任と実行期限を確約する。
長期の状態
実行できない約束が新しい不一致となり、担当者の安全と権限も損なわれる。
解約・撤回リスク
共感と全面的な責任認定を同じ言葉にし、後から訂正しにくくする。
振り返る問い
相手の影響へ謝ることと、未確認の事実・責任を確定することを分けられたか。

分岐 C

『二度ご説明いただいても、困った点を受け取られていないと感じたのですね』

はい。返金より、次の担当にも同じ説明をするのかを知りたいです。

短期の結果
受け取った理解を相手が訂正でき、確認する事実と希望する選択肢が一つ見える。
長期の状態
事実、申出、選択肢、次の連絡担当を分けて記録し、会社側の改善へつなげられる。
解約・撤回リスク
感情を決めつける表現になれば逆効果になる。『こう受け取った』と訂正の入口を残す。
振り返る問い
相手の心を診断せず、本人が述べた影響を短く返せたか。

共感を沈静化の技術にせず、事実確認と安全境界へどうつながるかを三つの分岐で比べてください。

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

3分の使い方へ戻る

Case 05 / 後輩

営業ロープレ:後輩から『正しい切り返し』を聞かれた

後輩には場面、分かっていること、次に聞くことを確かめる

物語「ミナトが後輩に聞かれたこと」失敗を渡す5項目を確かめる

固定分岐ロープレ

後輩から『正しい切り返し』を聞かれた:最初の一言を比べる

新人から『他社より高いと言われた時の正しい切り返しを教えてください』と聞かれました。新人が経験した商談の詳しい状況は、まだ聞いていません。最初の一言を選んでください。

確認済み

  • 新人は価格比較の場面で返答に迷った
  • ミナトには似た場面で失敗・修正した経験がある
  • 顧客の業種・比較条件・新人が見えていた範囲は未共有

まだ分からない

  • 顧客が実際に使った言葉と前後の流れ
  • 新人がその時に選べた行動
  • 助言、同行、権限確認のどれが必要か

最初の一言を一つ選ぶ

分岐 A

『この返しを覚えて。私はこれでうまくいった』

分かりました。次はそのまま言ってみます。

短期の結果
新人は使える台詞を得るが、自分の場面との違いを確認する機会がない。
長期の状態
台詞が合わない時、新人は方法より自分の使い方を責めやすくなる。
解約・撤回リスク
先輩の成功条件が消え、正解集として固定される。
振り返る問い
台詞を渡す前に、誰のどの判断を支える一言か確認したか。

分岐 B

『経験を積めば、自然に返せるようになるよ』

次の商談では、何を見ればよいでしょうか。

短期の結果
安心を与える可能性はあるが、観察する事実と相談条件が空欄のままになる。
長期の状態
件数を重ねることが評価になり、同じ失敗を具体的に見直しにくい。
解約・撤回リスク
経験年数で人を測り、支援できる技能・権限・場面を分けられない。
振り返る問い
次の一件で観察できる小さな行動へ落とせたか。

分岐 C

『その時に見えた事実を聞かせて。私の失敗例も並べるよ』

相手は『高い』と言ったあと、運用担当の人数を気にしていました。

短期の結果
新人の場面が主語になり、先輩の経験は比較材料として後から置ける。
長期の状態
事実・解釈・未確認と次の一問を残し、新人が自分で修正できる記録になる。
解約・撤回リスク
失敗談が長くなると再び先輩が中心になる。新人が共有しない範囲も尊重する必要がある。
振り返る問い
自分の答えを渡す前に、後輩が見たことと選べたことへ主語を返せたか。

先輩が正解を示す速さではなく、後輩が次の一件で自分の判断を訂正できる余白を比べてください。

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

3分の使い方へ戻る

Case 06 / 返事がない

営業ロープレ:提案後、約束の日を過ぎても返事がない

約束と必要な処理を確かめ、再送・確認・保留・終了から選ぶ

物語「売らない先輩の沈黙」押さずに次の行動を決める5ステップ

固定分岐ロープレ

提案後、約束の日を過ぎても返事がない:最初の一言を比べる

提案書と見積を送り、合意した回答日から2営業日が過ぎました。提出物の不足を尋ねる確認メールは一度送りましたが、返事はありません。未処理の契約・納品・支払はなく、連絡停止の希望も確認されていません。次の扱いを選んでください。

確認済み

  • 合意した回答日を2営業日過ぎている
  • 合意済みのメール経路で、不足確認を一度送っている
  • 契約・納品・支払などの未処理義務はない

まだ分からない

  • 返事がない理由と、現在の検討状況
  • 提案を続ける、保留する、見送るのどれを望むか
  • 今後の営業連絡を受け取りたいか

最初の一言を一つ選ぶ

分岐 A

再送|『念のため、同じ提案書を再送します』

前のメールは届いています。いまは返信時期を決められません。

短期の結果
届いていない可能性には備えられるが、新しい目的や材料のない連絡が一通増える。
長期の状態
同じ目的の再送を返事の代わりに重ねると、連絡回数だけが案件の進行として残りやすい。
解約・撤回リスク
無応答を未着と決め、相手の連絡負担と終了の選択を見えにくくする。
振り返る問い
再送が必要だと確認できた事実はあるか。前の連絡と違う目的を説明できるか。

分岐 B

確認|『今後の連絡方法だけ確認してもよいですか』

来月までは保留にしてください。こちらから連絡します。

短期の結果
案件の結論ではなく、次の連絡方法と答えない選択を確かめられる。
長期の状態
相手が示した保留期間と再連絡の主体を記録し、不要な追客を止められる。
解約・撤回リスク
すでに送った不足確認と同じ目的なら二重連絡になる。別の確認を送れる契約・社内条件があるか点検が要る。
振り返る問い
案件の進捗を聞く連絡と、今後の連絡許可を確かめる連絡を分けられたか。

分岐 C

保留|『社内では今月末まで保留として扱います』

承知しました。必要になれば、こちらから連絡します。

短期の結果
相手の返事を締切にせず、自社側の案件処理日を置ける。
長期の状態
保留を自動追客の予約にせず、再開条件が生じた時だけ連絡可否を判断できる。
解約・撤回リスク
一方的な保留日を回答期限のように書くと、実質的な催促になる。相手の不利益を作らない表現が要る。
振り返る問い
決めた日付は相手を動かす期限か、自分の案件管理を止める日か。

分岐 D

終了|『本件の営業フォローをいったん終了します』

分かりました。必要になった時の窓口だけ残しておいてください。

短期の結果
未処理義務がない範囲で、自社の営業活動を区切り、返信不要と伝えられる。
長期の状態
案件終了と将来の連絡許可を分け、相手から新しい依頼があれば現在の条件で扱い直せる。
解約・撤回リスク
契約・SLA・正式通知が関わる案件へ流用すると危険になる。営業フォローだけを閉じられるか事前確認が必要。
振り返る問い
終了したのは営業フォローか、契約上の関係か。再開条件を勝手に作っていないか。

返事の理由を当てず、再送・確認・保留・終了のそれぞれで、相手と自分に残る仕事、連絡許可、撤回条件を比べてください。

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

3分の使い方へ戻る

失敗から選び直す3分練習

営業ロープレ:「検討します」への返答を選び直す

検討するという返事を受け止め、判断材料を一つ聞いて要約する。話せないときはそこで区切る

返し方の解説選べる条件を考える物語

  1. 場面
  2. 気づく
  3. 学ぶ
  4. やり直す
  5. 持ち帰る

会話と反応は架空の練習例です。実際の相手の気持ちや反応を予測するものではありません。

練習を始める

提案のあと、顧客が「検討します」と言いました。何を検討するかは、まだ聞けていません。

今日のテーマ:決断を急がせず、判断に必要な情報を確かめる

目安は3分。戻って比べても、途中で終えても構いません。

まず会話を見る

顧客
検討します。
営業
何が不安ですか? 今日決めていただければ条件も調整できます。
顧客
いえ、いったん大丈夫です。

どこがズレたか選ぶ

営業側の行動で、見直せそうなのはどこですか。

説明が足りないかは未確認です。営業が実際にしたことへ戻ってみましょう。

今日の決定を条件にしたことは、会話から確認できます。顧客が何を考えていたかは、まだ分かりません。

価格への発言はありません。値引きで解決できるかも未確認です。

事実と未確認を分ける

会話から確認できること

  • 顧客は「検討します」と言った。
  • 営業は、当日決定を条件に調整を持ちかけた。

まだ分からないこと

  • 価格が理由か、不安があるのか。
  • 社内確認が必要か、見送る可能性があるか。

返事だけで「不安」「価格」「買う気がない」と決めません。

言い方を点検する原理

心理的リアクタンス

選ぶ自由が脅かされたと感じたとき、その自由を取り戻そうとする反応です。

この場面なら
「今日決めたら」と条件を付ける前に、決めずに終える選択を残せます。
使うときの注意
この返事だけで反発が起きたとは診断できません。自由を認める言葉も、成約させる仕掛けにはしません。
明日使うなら
保留や見送りを残し、確認したいことを一つ尋ねる。答えたくなければそこで終える。
詳しく読む・出典

自由への脅威を扱う研究を整理した総説です。以下の会話は編集部の応用例で、営業の成績や顧客の反応を予測する実験ではありません。

Steindlほか(2015)心理的リアクタンスの研究レビュー

心理的リアクタンスの解説

同じ場面をやり直す

顧客「検討します」。今なら、どう返しますか。

返答の違いを比べる

返し方ごとに、良い点と注意点を比べます。

A:どこが不安ですか?

良い点:話しにくい懸念を聞く入口にはなります。

注意点:不安があると先に決めています。

顧客の返答例
不安というより、担当部署に確認したいです。

この例で確認できたこと

担当部署への確認を希望している。

まだ未確認

何を確認するか、購入するか。

短期の反応と長期の注意

「不安」という前提を訂正するやり取りが生じることがあります。

前提を繰り返すと、本人の判断条件を聞き逃すおそれがあります。

B:今日は決めずに終えて大丈夫です。判断するうえで、まだ足りない情報はありますか?

良い点:決めない選択を残し、判断材料を尋ねています。

注意点:話したくないときは質問を続けません。

顧客の返答例
運用担当者の作業を確認してから考えたいです。

この例で確認できたこと

運用担当者の作業を確認したいと述べた。

まだ未確認

必要な作業、判断時期、購入するか。

短期の反応と長期の注意

判断に必要な情報が話題になる場合があります。返答せずに終えることもあります。

情報を聞けても次回連絡への同意にはなりません。希望を確かめます。

C:価格が一番気になっていますか?

良い点:価格への言及があれば、条件を整理する入口になります。

注意点:この場面では価格が理由か未確認です。

顧客の返答例
価格というより、今期に始められるかを確認しています。

この例で確認できたこと

今期に開始できるか確認している。

まだ未確認

開始条件、予算、購入するか。

短期の反応と長期の注意

価格以外の話へ訂正される場合があります。

価格だけを追うと、時期や体制の条件を見落とすおそれがあります。

別の場面で試す

別の商談で値引きを相談されました。値引きの承認はまだなく、相手の判断時期も未確認です。どう返しますか。

決断を急がせる条件が残り、未承認の値引きも約束しています。

約束できる範囲と、決めない選択を分けています。相手が話したくなければ、そこで区切れます。

相手の理由を診断しています。心理学名や推測で答えを決めず、本人が話した条件へ戻れます。

明日の一問を持ち帰る

今日覚えること:保留や見送りを残し、確認したいことを一つ尋ねる。答えたくなければそこで終える。

練習した場面:保留への返答

練習から、次に聞く一問を残す

別の返し方も比べたら、自分の場面で確かめたいことを一つ書きます。

「検討します」への返し方を読む

次の3分ケースへ:説明後の沈黙

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