営業ヒアリングの質問

営業ヒアリングでは何を聞く?|質問例12選と深掘りの順番

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最初は背景・現在の流れ・直近の場面から2〜3問を選び、相手の答えから次の一問を決める

読了目安 約10分 · 公開 · 更新

営業ヒアリングでは、12問を全部聞く必要はありません。まず「相談の背景」「現在の業務の流れ」「最後に課題が起きた場面」から2〜3問を選び、相手の答えを受けて次の一問を決めます。

質問例は目的と照らして選び、商談後はヒアリングシートに記録できます。

営業ヒアリングで使える質問例12選

12問の候補を、背景・現状、場面・影響、望む状態、判断条件の4つに整理する

今日の目的に必要な質問を選んでください。 1〜3は背景・現状、4〜7は場面・影響、8〜10は望む状態と優先順位、11〜12は判断条件です。

確認すること そのまま使える質問例 聞く目的
1. 相談の背景 「今回、お話しいただくことになった背景を教えていただけますか」 相手が今日話そうと思った理由を本人の言葉で知る
2. 今日の到達点 「今日の話が終わる時、何を判断できているとよいですか」 営業側だけで商談のゴールを決めない
3. 現在の流れ 「現在は、どなたが、どの順番で進めていますか」 実際の業務と役割を把握する
4. 直近の場面 「最後にそれが起きたのは、どんな時でしたか」 抽象的な課題を観察できる出来事へ戻す
5. 前後の動き 「その直前と直後は、何をしていましたか」 手戻りや待ちが生まれる位置を確かめる
6. 関わる人 「最初に対応し、最後に確認するのはどなたですか」 実行者、引き継ぐ人、影響を受ける人を分ける
7. 影響 「そこで止まると、次に何が後ろへ動きますか」 時間・費用・別作業への影響を相手の範囲で知る
8. 残したい点 「今の方法で、変えずに残したい部分はどこですか」 現行方法が守っている価値を提案から消さない
9. 望む状態 「どの状態になれば、改善したと判断できますか」 営業側の成果指標を押し付けない
10. 優先順位 「ほかの課題と比べると、今はどの順番ですか」 課題があることと、今進めることを分ける
11. 判断条件 「進めるかどうかは、誰が、何を見て判断しますか」 関係者と判断材料を推測で埋めない
12. 時期と資源 「進める場合、時期・人員・予算について、今共有できる範囲はありますか」 実行条件を聞き、答えにくい範囲は未確認に残す

初回商談全体の進め方は、営業の初回商談で確認する5つのことで整理しています。

営業ヒアリングの最初は、3つの質問から選ぶ

背景と業務の流れを確認できている場合は、聞き直さず直近の場面を一つ尋ねる

背景・流れ・直近の場面のうち、まだ分からないことから聞きます。

すでに分かっていること 次に聞くこと
背景がまだ共有されていない 「今回、お話しいただくことになった背景を教えていただけますか」
相談の背景は共有済み 「現在は、どなたが、どの順番で進めていますか」
業務の流れは資料で確認済み 「最後にそれが起きたのは、どんな時でしたか」
相手が具体的な場面を話し始めた その場面の前後など、まだ分からないことを一つ聞く

資料が古い可能性があれば、「今もこの流れですか」と確認します。

営業ヒアリングの質問を2〜3問に絞る4つの基準

相手が答えられるか、今聞けるか、何の判断に使うか、まだ分からないかの4条件で質問を選ぶ

商談前に「誰が何を判断するための話か」を一行で書き、次の4点で質問を選びます。

  • その人が答えられるか。 本人の経験や仕事でなければ、適切な担当者を確認する。
  • 今聞けるか。 作業中・安全確認中・時間がない時は、区切りまで待つか今回は聞かない。
  • 何の判断に使うか。 提案範囲、次回の目的、関係者など、答えを使う先を決める。
  • すでに答えが出ていないか。 相手が話したことは聞き直さず、必要なら自分の理解を確認する。

2〜3問は準備を絞るための目安で、成果が出る最適な質問数ではありません。残りは候補として持ち、商談中に選び直します。

相手と場面から一問を選ぶ練習です。「今は聞かない」も選べます。

Three-minute tool

営業ヒアリングの次の一問を選ぶ

質問候補を増やす前に、「その人に聞く」「今聞ける」「まだ分からない方向」の三つを選びます。 結果は保存も送信もしません。

  1. 01その人に本人が答えられることか
  2. 02いま作業・安全・時間を邪魔しないか
  3. 03何を確かめる答えを何の判断に使うか
1. 誰に確かめますか
2. いつ聞けますか

顧客名、会社名、秘密情報の入力欄はありません。

ヒアリングの答えを深掘りする6方向

相手の答えから、場面・前後・人・影響・守るもの・理解の確認のうち、まだ分からない方向を一つ選ぶ

「入力が増えると困る」と言われたら、別の項目へ進む前に、困った場面や入力前後の流れを確かめます。6方向すべてを聞くのではなく、判断に足りない方向を一つ選びます。

深掘りする方向 質問例 分かること 聞かなくてよい時
1. 実際の場面 「最後にそれが起きた場面を教えていただけますか」 抽象的な課題が起きた状況 すでに具体的な場面を話している
2. 前後の流れ 「その直前と直後は、何をしていましたか」 作業の順番、割り込み、戻り 目の前で流れを観察できる
3. 関わる人 「最初に対応し、最後に確認するのはどなたですか」 実行者、引き継ぐ人、影響を受ける人 本人が一人で完結すると確認できている
4. 影響 「そこで止まると、次に何が後ろへ動きますか」 時間、手戻り、待つ人、別作業への影響 影響が判断に関係しない
5. 守りたいこと 「今の方法で、変えずに残したい部分はどこですか」 現在の方法が守っている価値 本人がすでに理由まで説明している
6. 理解の確認 「私は○○と理解しました。違うところはありますか」 営業側の解釈と本人の意図のずれ 提案条件や共有記録に使わない時。使う前には確認する
会話例:一つの答えを受け取る

以下は、青葉設備へ同行したミナトと桜井の架空の場面を使った例です。人物の経験を営業成果の根拠にはしていません。

桜井

この確認、飛ばせる日ほど、あとで戻ることになるんです。

ミナト

一日に同じ確認は、何回くらい発生しますか。

頻度も必要な情報ですが、この返しでは「あとで戻る」場面が分かりません。ここでは「最後に戻ることになったのは、どんな時でしたか」と一問にとどまれます。何が問題かを営業側で決めず、答えを聞いてから自分の理解を返します。

営業ヒアリングの質問を止める4つの合図

具体的な場面には留まり、作業中は待ち、訂正は受け取り、時間・安全・共有範囲に触れたら今回は聞かない

話や作業を確かめるために、質問を止めることも必要です。答えたくない範囲は、それ以上求めません。

閉じる合図 その場で行うこと 避けること
相手が「今」「ここ」「今日は」など、具体的な場面を示した その言葉を短く返し、場面に留まる 次のカテゴリへ移る
相手が作業や資料で流れを示し始めた 許可された範囲で観察し、あとで確認する 質問のために作業を止める
相手が営業側の言葉を訂正した 訂正後の言葉をそのまま残し、理解を確認する 自社用語に言い換えて確定する
時間、安全、守秘、答えたくない範囲に触れた 今回は聞かず、未確認と確認方法を残す 聞き方を変えて同じ情報を求め続ける

沈黙やしぐさだけで、相手の気持ちは決められません。作業や話題が一区切りついたら、営業側の理解を短く伝え、訂正してもらいます。まだ必要な一問だけを選び、残りは次回・別担当・資料確認・未確認へ分けます。

質問攻めを避ける営業ヒアリングの言い方

目的と許可を確かめ、相手の言葉を返し、負担の少ない答え方と今回は聞かない選択を残す
したいこと そのまま使える言い方
聞く許可を取る 「提案で変わる範囲を確認したいので、一つだけ具体的な場面を伺ってもよいですか」
相手の言葉を返す 「『あとで戻る』とおっしゃったところを、もう少し確認してもよいですか」
答え方を選んでもらう 「口頭で話す、流れを見せる、別の方へ確認するうち、負担の少ない方法はありますか」
今回は聞かない 「共有しにくい内容は伺いません。提案条件には未確認と記します」

質問の目的を説明したら、返事を待ちます。説明が長くなる時は、営業トークを短くする方法も参考にしてください。

BANTとSPINを営業ヒアリングで使い分ける

BANTは予算・判断権限・必要性・時期、SPINは状況・問題・影響・解決の価値を整理する。順に埋める台本にはしない

BANTは案件の判断条件、SPINは顧客の状況や問題を考えるための枠組みです。質問を順番に読み上げる台本にはしません。

枠組み 整理すること 使い方の注意
BANT 予算・判断権限・必要性・時期 案件管理上の未確認を整理する。相手が答えられない欄を推測で埋めない
SPIN 状況・問題・影響・解決による価値 相手の状況を考える。自社製品が必要だと言わせる誘導にしない
本記事の12問 実際の業務、守りたいこと、判断条件 今日の目的に必要な問いを選ぶ。すでに聞けたことは省く

BANTの4項目は案件を評価する整理です。顧客が今判断したいことと、営業側が管理したい項目は必ずしも一致しません。

SPINの提供元Huthwaite Internationalも、4種類の質問を硬直した順番ではない枠組みと説明しています。この12問や「2〜3問」という数の効果を保証するものではありません。

質問の研究を営業へ当てはめる限界

Huangらの2017年の研究では、対人会話で追加質問と好意評価の関係が報告されています。一方、2019年の再分析は、そのうちスピードデート研究の分析と解釈に異論を示しています。営業成約や本音の取得、最適な質問数を裏づける研究としては扱いません。

営業ヒアリングシートは、まず5欄で残す

今日の目的、相手の言葉、確認できた事実、まだ分からないこと、次に聞く一問を分けて記録する

確認できた事実と未確認を分け、まずは次の5欄に残します。

欄 残すこと
今日の目的 誰が何を判断するための話だったか
相手の言葉 本人が実際に使った表現。自社用語へ置き換えない
確認できた事実 本人の説明や資料で確かめたこと。営業側の解釈は別にする
まだ分からないこと 誰に・どの方法で確認するか。今回は聞かない理由
次に聞く一問 質問文と、それを聞く目的
詳しく残す時のヒアリングシート

実務例・記入欄

【今日の目的】
このヒアリングのあと、誰が何を判断できる状態にするか:

【必ず確認する2〜3項目】
1.
2.
3.

【相手が実際に使った言葉】
言葉:
話した場面:

【その場で選んだ次の一問】
質問:
選んだ理由:
本人の回答:

【営業側の理解確認】
私は○○と理解した:
本人の訂正:

【まだ確認していないこと】
内容:
確認できる人・方法:
今回聞かない理由:

チームへ共有する記録の分け方は、商談メモの取り方へ進んでください。

商談前・中・後のヒアリングチェックリスト

商談前は目的と質問を準備し、商談中は聞く・深掘り・止めるを選び、商談後は事実・解釈・未確認を分ける
  • 商談前: 今日の目的を一行で決め、質問を2〜3問選ぶ。調べて分かることを先に確認する。
  • 商談中: 相手の原文を残し、必要な方向を深掘りする。作業・時間・共有範囲に合わせて止める。
  • 商談後: 事実・解釈・未確認を分け、次に聞く一問を決める。録音やAI要約を使う場合は、同意と保存・共有の条件も確認する。

営業ヒアリングは、質問数より次の一問を選ぶ

質問候補を消化せず、相手の答えを受けて、まだ必要な一問か今は聞かないかを選ぶ
  1. 今日の目的に合う2〜3問を選ぶ。
  2. 相手の答えから、まだ分からない方向を一つ確かめる。
  3. 止める合図があれば質問をやめ、未確認として残す。

次の商談の質問表に、「この答えで何を判断するか」を一行添えてみてください。

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よくある質問

初回の営業ヒアリングで予算を聞いてもよいですか?

提案できる範囲を判断するために必要なら、聞く目的を伝え、共有できる範囲を尋ねます。予算が未定の場合や相手に権限がない場合は、決め方と確認できる時期を相談し、数字を無理に埋めません。

Your next note

ミナトの答えではなく、あなたの一件へ。

今日ノートへ書くのは、次の一行だけでも構いません。持ち帰る候補を端末内へ残し、明日の商談で試すかどうかは後から選べます。

明日の一件で、ひとつ試してみたい問いを選んでください。

マイ商談ノート

今日、残しておく候補

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