商談の入口と準備

2回目の商談は何を話す?|営業の進め方・アジェンダ例

前回の理解を訂正し、宿題と変化を確認して、今回の問いを整える

読了目安 約4分 · 公開 · 更新

2回目の商談では、前回の理解を訂正できる形で返し、約束した回答と変化を確認します。そこで今回扱う問いと対象外を相談し、最後に決定・未決・担当・期限・次回連絡の許可を分けます。回数だけで、提案や契約の段階とは決めません。

前回の記録を、六欄の継続シートにする

前回記録を直せる形にし、約束と変化から今回の問いを作る
欄 商談前に拾う内容
前回確認したこと 相手の言葉と双方で確認した目的・条件
営業側の約束 回答・資料・見積、担当と期限
相手側の確認事項 持ち帰ると明示された問い。未回答は未回答
前回の未決 答えのない条件、後へ回した論点
共有範囲 誰に何を共有してよいか
今回の仮の問い 何を確認・比較・決定したいか

営業側の準備メモなので、顧客の現在の認識を確定しません。空欄を推測で埋めず、次のように返します。

前回はAが課題で、Bは対象外と理解しました。私はCを回答する約束でした。違う点や、その後変わった点はありますか。

ClarkとBrennanの理論章は、共同活動で内容と進め方を調整し、参加者の共通基盤を更新することを論じています。ここでの六欄シートや、2回目の商談の成果を検証した研究ではありません。前回の理解を相手が直せる形にする、という実務上の整理に使っています。

宿題・前提変更・新参加者から、今回の出発点を選ぶ

現在の目的、残る問い、関わる人を本人へ確認する
出発点 冒頭とアジェンダの例
営業側の回答が残る 「回答できた点と確認中の点から共有します」→回答・未完了の扱い・今回の問い
前提が変わった 「今は外したい点や変わった点はありますか」→訂正・現在の優先・必要な材料
新しい参加者がいる 「前回情報の共有範囲を確認させてください」→共有可能な要約・本人の問い・今回の範囲

三つが重なる場合もあります。会議が設定された事実だけで、関心が高まった、今回決める、と推測しません。

自分の宿題は、完了なら回答・根拠・確認日・適用範囲を、一部完了なら分かったことと未確認を返します。未完了なら事実・理由・回答可能な時期を示し、待つ、別案、不要を相談します。いま不要な回答を説明するために時間を使いません。

前提変更は「前回のAを外し、今はBを確認する理解で合っていますか」と確かめます。準備した資料が現在の問いに不要なら、使わない選択もあります。

新参加者には、許された前回情報を共有し、今回知りたいことと関わる範囲を聞きます。役職だけで決裁者や反対者に分類しません。詳しい発言・判断の整理は複数人商談へつなぎます。

今回の問いを四欄で相談し、終了時は五つを読み合わせる

確認された決定、営業側の案、未回答を分けて次の記録へ残す

前回から残る仕事を、商談アジェンダの形式へ移します。

アジェンダ欄 今回決めること
答える問い 終了時に何が分かればよいか
使う材料 回答・見積・デモのどれが必要か
扱わない問い 後へ回す、別担当へ渡す、終了するもの
終了時の記録 決定・未決と、その後の担当・期限

前回から残る問いはAとBです。今日はAを確認し、Bは担当と期限だけ相談する形でよいですか。先に扱いたいことはありますか。

開始後も時間や目的が変われば直します。中止・延期・提案の見送りも、相手が選べる結論です。

終了時には、①決定と合意範囲 ②未決・未処理 ③担当と仕事 ④期限か未定 ⑤次回連絡の目的・時期・方法・許可を読み合わせます。決まらなかったことだけで失敗とも前進とも判定しません。

未決が残っても3回目は自動的に設定しません。会議が必要だと合意した場合に次回アポへ、今回が最終判断の場だと確認できた場合にクロージングへ進みます。初回商談の説明をそのまま繰り返す必要はありません。

架空の商談場面:「もっと詳しい初回」を準備したミナト

同じ案件の初回と2回目のページを並べて、ミナトは眉を寄せました。2回目に書いてあるのは、初回とほとんど同じ機能説明です。違うのは資料の枚数だけで、前回持ち帰った質問への答えは残っていませんでした。

ミナト

2回目は「もっと詳しい初回」だと思っていました。でも前回の約束と未決を探すと、説明を増やす前にやることが残っていました。

次の商談前に、自分が約束した回答を「完了・一部完了・未完了」に分け、現在も必要かを確認できる一行を準備してください。

よくある質問

2回目の商談では、何を話せばよいですか?

前回の理解を相手が訂正できる形で返し、約束した回答を渡します。その後、前回から変わったこと、今回扱う問い、今回は扱わない問いを合意します。新しい提案や見積は、現在の目的に必要だと確認できた場合だけ位置づけます。

2回目の商談は、冒頭で何と言えばよいですか?

「前回はAと理解し、私はBを回答する約束でした。違う点や、その後変わった点はありますか」と始めます。これは前回内容の復唱ではなく、営業側の理解を相手が訂正・追加・削除できるようにする確認です。

前回の宿題が終わっていない時は、どうすればよいですか?

未完了を隠して別の資料や提案へ進まず、できたこと、できていないこと、理由、回答できる時期を伝えます。その回答が今回も必要かを尋ね、必要なら期限と担当を合意します。不要になっていれば、古い宿題を説明する時間に使いません。

2回目に相手の同席者が増えていたら、どうすればよいですか?

既存参加者に、前回情報をどこまで共有してよいか確認します。新しい参加者には、今回知りたいことと関わる範囲を本人へ聞きます。役職だけから「決める人」「使う人」と分類せず、必要なら複数人商談の進め方へ切り分けます。

初回から間が空いた時は、どう入ればよいですか?

前回記録が現在も正しいかを先に確認します。「前回はAと伺いましたが、変わった点、削除したい点、今回扱わない点はありますか」と尋ねます。古い記録は確定事実でなく、相手が訂正できる仮の要約として扱います。

2回目で決まらないのは、失敗ですか?

2回目で受注しなかったことだけでは、失敗とも前進とも判定できません。今回決まったこと、未決、見送った論点、次に誰が何をいつ行うか、次回を設定する許可があるかを分けます。必要な商談回数を一律に決めません。

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