短い納期を求められたら、完了条件と用途を聞き、社内の工程・担当・承認を確認して答えます。可否を答える時刻と、成果物を完成させる期限は分けます。 その場の「頑張ります」だけで返答を終えません。
五手順で、急ぎの依頼を実行条件へ変える

- 原文を復唱。 「今週金曜までに提案書が必要、というご依頼ですね」。
- 四点を聞く。 成果物と受入条件、日付・時刻・必要ならタイムゾーン、用途、遅れた場合の影響。
- 社内を照合。 下の実行条件を、関わる担当者へ確認する。
- 四状態で答える。 可能・不可能・条件付き・確認中を分ける。
- 合意と未確認を記録。 範囲、品質、残作業、次の時刻を双方が訂正できる形へ。
| 社内で見ること | 確認する内容 |
|---|---|
| 作業と担当 | 提出形式、受入条件、作成・確認・承認者 |
| 実績と待ち | 類似作業の実所要時間、今回の差、顧客素材・他部門・外部先への依存 |
| 必須条件と権限 | 品質・安全・法令・契約・労務の確認、範囲・順序・費用を変更する権限 |
「会議で方向性を決める概要か、確認済みの正式版か」を聞くと、求められた状態を区別できます。用途が分かっても実行可能とはまだ限りません。見積もりは理想だけで作らず、類似実績からの点検を使います。
架空の記録で確認する:「頑張ります」の後に残る確認
大型契約の記録に、期限を二つに分けて書いたページがある。顧客側の選定期限と、自社側の供給枠の期限。そのページには、二つを混ぜずに確認した経緯が残っていた——ミナトはそれを逆の立場から読み直していた。急かす側ではなく、急かされる側として。
ミナト
「今週中にお願いできますか」と言われると、僕の口は考えるより先に「頑張ります」と答えてしまうんです。あれは誠意のつもりでしたが、実際は、できるかどうかの確認を先送りしていただけでした。
四つの回答状態で、できる範囲と次の時刻を返す

| 状態 | 伝えること |
|---|---|
| 可能 | 確認した範囲・品質・担当・承認と、提出日時 |
| 不可能 | 実行できない条件、根拠、確認済みの最短日か代替案 |
| 条件付き | 変更条件、先に出すもの、残作業、正式版の予定 |
| 確認中 | 何を誰に確認し、いつ可否か確認状況を返すか |
対応できる例:「主要3項目の確認版は金曜17時、全項目の正式版は火曜12時に提出できます。金曜版は社内検討用です。この二段階でご用途を満たしますか」。日時は実確認した条件へ置き換えます。
求められた条件ではできない例:「全項目の正式版を金曜17時までに出すことはできません。確認工程を含め火曜12時が最短です。金曜に必要な項目を先に出せるか、本日16時までに確認します」。代替案も未確認なら、可能と断定しません。
曖昧に返答した後:「先ほどは曖昧な返答で申し訳ありません。提出範囲と期限の認識を確認させてください」。相手の理解と既存の約束を確かめます。営業一人で「確約ではなかった」と取り消さず、履行が難しければ責任者へ共有し、遅延対応や条件変更を相談します。
七欄の回答票で、部分版と正式版を分ける

①依頼原文 ②成果物・受入条件 ③正確な期限 ④用途・期限超過の影響 ⑤社内根拠 ⑥回答状態と条件 ⑦次の時刻と担当を一枚にします。部分版、正式版、確認状況を返す時刻は、それぞれ別に書きます。
部分版を提案するなら、含む・含まない範囲、確認済み・未確認、使ってよい用途、残作業の担当と正式版予定、用途を満たすという顧客確認をそろえます。急ぎを理由に、必須の確認を営業だけで省略しません。
他社の即答と比較された時も、相手の条件を推測せず、自社の確認先と回答時刻を返します。期限外の無理な要求や価格変更は別に判断します。まず「何を、何日の何時までに、どの判断へ使うか」を復唱してください。
よくある質問
即答できないとき、返事の期限はどう伝えればいいですか?
何を誰に確認するかと、次に連絡する時刻を伝えます。たとえば『担当と工程を確認し、本日16時までに可否または確認状況をご連絡します。その時刻でご判断に間に合いますか』です。可否の返答と対応の完了は別の日付として扱います。
すでに『頑張ります』と言ってしまったら、どう訂正しますか?
早めに『曖昧な返答で申し訳ありません。提出範囲と期限の認識を確認させてください』と伝え、相手がどのように受け取ったかを確かめます。合意済みの約束を一方的に確認中へ戻さず、履行が難しい場合は責任者へ共有して条件変更や遅延対応を相談します。
『他社は即答してくれた』と言われたら?
比較された事実は受け止めつつ、自社で未確認の範囲と回答時刻を返します。『弊社では担当と確認工程の照合が必要です。15時までの回答でご判断に間に合いますか』のように、他社の条件を推測せず、今回必要な期限を確認します。
正式版が間に合わないとき、概要や部分版だけ先に出してもよいですか?
顧客の用途を満たし、社内で品質・安全・契約上の問題がないと確認できた場合に限り候補になります。部分版の範囲、未完了部分、使ってよい判断、正式版の予定を明記し、『これで用途を満たすか』を顧客に確認してください。
短い納期を断るときは、どう言えばいいですか?
できない範囲と確認済みの事実を分け、可能な最短日または代替範囲を示します。『全項目を金曜17時までに確認済みの正式版として出すことはできません。主要3項目の確認版なら金曜、全項目は火曜が最短です』のように伝えます。
期限を理由に値引きも求められたら?
納期と価格を一度に約束せず、別の判断項目として確認します。『期限対応の可否と条件を先に確認し、価格条件は分けて回答します』と伝えてください。値引きへの応じ方は専用記事で扱います。
Your next note
ミナトの答えではなく、あなたの一件へ。
今日ノートへ書くのは、次の一行だけでも構いません。持ち帰る候補を端末内へ残し、明日の商談で試すかどうかは後から選べます。
明日の一件で、ひとつ試してみたい問いを選んでください。
マイ商談ノート
今日、残しておく候補
気になった項目を、この端末のブラウザへ保存できます。ログインや送信はありません。
まだ保存していません。
自分の場面を「事実・解釈・未確認」の三欄へ書き直すなら、五冊目の読者ケースを使う。 送信せず、この端末だけで使えます。
