営業プレゼンの組み立て

営業プレゼンの組み立て方|10分で判断できる順番にする

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営業プレゼンを結論、条件、確認事項の順に進め、区切りで相手に話す番を返す図。
結論・条件・確認事項の順に話し、区切りごとに相手が話す時間を作ります。

読了目安 約9分 · 公開 · 更新

営業プレゼンは、結論・条件・確認事項の順に話します。最初の1分で終了時刻と「この場で決めること」を置き、次の2〜3分で提案の中身と相手の仕事が何に変わるかを言い、費用と前提をまとめて出したら、残りは相手の確認事項に使います。区切りごとに一度口を閉じ、相手が話す番を作ります。

持ち帰る一言

順番は資料の章立てではなく、相手が判断に要る順。区切りで口を閉じる

10秒で答え|営業プレゼンは結論・条件・確認事項の順に話す

この記事でいう組み立ては、スライドの章立てではありません。資料を配った後、口頭で話す10〜15分をどう並べるかです。同じ資料でも、話す順番が変われば、相手がその場で決められることが変わります。

会社紹介、業界動向、検討の経緯から始めると、相手が判断に使う情報は後半へ寄ります。前半で相手にできるのは「聞くこと」だけで、判断は始まりません。逆に、結論と費用が前半にあれば、残り時間はすべて相手の確認に使えます。

境界を先に引いておきます。提案書という文書の章立ては「提案書はどう構成する?」が所有します。商談全体の時間配分は「営業で簡潔に話すには?」、実演の進行は「製品デモはどう進める?」です。本稿が扱うのは、その中の「話す順番と止め方」だけ。

営業プレゼンの順番|三つの区切りと、相手へ返す合図

10分を三つの区切りに分けます。時間は商材の複雑さ、初回か継続か、参加者の役割で調整してください。

話す順番 その時間で相手が決められること
0〜1分・最初の確認 今日どこまで話を進めるか。終了時刻に何が残るか
1〜4分・結論 自分の仕事に関係があるか。今と何が変わるか
4〜7分・条件 費用と前提が、自社の枠に収まるか
7〜10分・確認事項 誰が何を確かめれば決められるか。次に何をするか

最初の1分|終了時刻と「決めること・決めないこと」を置く

最初に置くのは挨拶や自己紹介ではなく、この時間の使い道です。「10分で提案の結論と費用までお話しします。今日この場で契約を決めていただく必要はありません」と言い切ってから始めます。

決めないことも同じ強さで言います。判断の範囲が先に狭まると、相手は身構えずに聞けます。「途中で止めて構いません」も添えておくと、後半でやめる合図が出やすくなる。

結論と条件|提案の中身と、相手の何が変わるかを一組で出す

結論ブロックでは、提案の中身と、相手の仕事の何が変わるかを一組で言います。片方だけでは判断材料になりません。「この仕組みを入れます」だけでは他人事で、「業務が楽になります」だけでは何の話か分からない。

変化は、担当者の一日の中の具体的な場面で示します。物語を作るのではなく、いつ・誰が・何をしている時間が、どう変わるかを一つ挙げるだけで足ります。抽象的な効果より、相手が自分の職場へ当てはめやすくなるからです。

条件ブロックは費用と前提をまとめて出します。分割して後半へ回すと、相手は金額を待ちながら残りを聞くことになります。できない範囲、追加費用が発生する条件、前提が崩れる場合も、ここで一緒に言います。金額そのものより、金額が動く条件のほうが持ち帰られます。

区切りの作り方|口を閉じて、相手の番にする

区切りは、話題が変わる場所ではなく、相手が口を開ける場所です。結論ブロックの終わりと条件ブロックの終わりで、一度止めます。

「ここまでで、違うと思ったところはありますか。」

問いかけたら、数秒待ってください。沈黙を自分の言葉で埋めると、相手が話しかけるはずだった一言が消えます。沈黙は理解とも同意とも限らないため、返事がなければ「では、先へ進みます」と言って進み、最後の確認事項でもう一度返します。

プレゼンの時間が半分になったら、経緯と一般論から落とす

会議が押して10分が5分になる場面は珍しくありません。その場で削る順番を決めておくと、慌てて早口になるのを避けられます。

落とす順番は、会社紹介と業界の一般論、検討の経緯、機能の詳細、事例の数です。残すのは、結論、費用と前提、できない範囲、次に誰が何を確かめるかの四つ。この四つが揃っていれば、相手は持ち帰って社内で話せます。

短縮は黙って行わず、最初に宣言します。

「5分になりましたので、結論と費用、確認いただきたい点の三つに絞ります。残りは資料の該当ページをお伝えします。」

早口にして全部話す選択もありますが、判断材料は増えません。聞き取れなかった条件は、後で「そんな話は聞いていない」に変わります。落とすのは説明であって、条件ではない、と決めておいてください。

構成を作った後、説明の伝わり方も見直す一冊

話す順番が決まったら、一つの区切りを声に出し、初めて聞く人にも前提が伝わるかを確かめます。構成を埋めても説明が長くなる人には、藤沢晃治著『「分かりやすい説明」の技術 新装版』が学習の候補です。講談社の商品紹介では、会議やプレゼンを含む説明技術を15のルールで扱っています。

本を読む時も、全部を次の商談に詰め込まず、直したい一つの説明に当てはめてみましょう。今回の10分構成は編集室の例で、書籍の時間配分を引用したものではありません。

営業プレゼンの逆効果と、やめる合図

同じ順番でも、次の形になると相手の判断は止まります。兆候は相手の内心ではなく、場面と行動で見ます。

  • 相手が資料を先へめくり始めた。 話している箇所と、相手が知りたい箇所がずれています。「先に気になるページがありましたか」と聞き、順番をそちらへ移します。
  • 機能を一覧で読み上げている。 項目が増えるほど、どれが自分に関係あるかは分かりにくくなります。一つに絞り、残りは資料の場所を伝えます。
  • 質問を最後まで受けない設計にしている。 「ご質問は最後にまとめて」は、話しきるための都合です。区切りを二つ作れば、最後に質問が残っても時間内に収まります。
  • 盛り上げる言葉が増えている。 「画期的」「他社にはない」を重ねるほど、条件の話が薄くなります。相手が確かめられる事実へ戻します。
  • 実在しない期限や事例を足したくなっている。 ここは守る一線です。決まっていない値上げ、いない導入先、まだ出ていない成果を言葉にしません。

支援と操作の線引きそのものは「営業心理学は操作になる?」が正本です。

決裁者が同席する場と担当者だけの場|営業プレゼンの変え方と相手の出口

この組み立てが効くかどうかは、その場に誰がいて、何が済んでいるかで変わります。

その場の状態 組み立てをどう変えるか
決裁者が同席している 結論と条件を前半に寄せ、確認事項の時間を長めに取る。決める人が質問できる時間を優先する
担当者だけが出席している 担当者が社内で説明し直せる材料に重心を置く。その場での決裁は求めない
相手の課題をまだ聞けていない プレゼンの前に確認の時間を取る。順番を工夫しても、外れた提案は判断材料にならない
すでに他社提案も比較している 差を主張せず、条件を同じ粒度で並べる。比較しやすさを優先する

同席者の役割と決裁の流れは「決裁者と担当者は何が違う?」、課題を聞く質問は「営業ヒアリングの質問」が扱います。

相手の出口は、困ってから探させるものではありません。最初の1分で、次の三つを言葉にしておきます。

  1. 途中で止めてよい。 「気になったところで、いつでも止めてください」
  2. その場で決めなくてよい。 「今日は持ち帰っていただく前提でお話しします」
  3. 違えば訂正してよい。 「前提が違っていたら、その場で言ってください」

三つを言っておくと、終盤で相手が保留や見送りを言いやすくなります。出口が実際に残っているかの点検は「自己決定感」で扱います。

この記事の3点

  • 判断が進む条件:結論、条件(費用と前提)、確認事項の順で、相手の判断に要る順に話す。区切りで口を閉じる。
  • やめる合図:相手が資料を先へめくり始めた。機能を読み上げている。質問を最後まで受けない設計になっている。
  • 相手の出口:「途中で止めてよい」「今日決めなくてよい」「違えば訂正してよい」を、話し始める前に言う。

会話例|ミナトが直した、最初の一言

ミナトが編集室へ持ち込んだ商談記録です。社名と価格は外してあります。

15分の予定でした。ミナトは会社紹介と導入実績から話し始め、費用の説明に入ったところで残り2分。相手は資料の後半を先にめくっていました。質問は一つも出ず、「社内で共有します」で終わりました。

ミナト

資料は順番どおりに作ってあったので、その順番で話すのが正しいと思っていました。でも、相手が見ていたのは僕が話している箇所ではなく、後半の費用のページでした。

今なら、最初に「10分で結論と費用までお話しします。途中で止めて構いません」と言います。めくり始めたところで、「先に気になるページがありましたか」と聞きます。

直したのは話の中身ではなく、置く位置と止め方です。同じ資料でも、費用が前半にあれば、残り時間は相手の確認に使えます。相手がめくった行動は理解度の証拠ではなく、順番を変えるきっかけとして扱います。

説明を足すほど商談が重くなった場面は、物語「説明しすぎて、商談が重くなった」でも描いています。

説明の最初と最後に何が残るかを考えるときは、初頭効果・新近効果(系列位置効果)も参考になります。

今日の一手

次のプレゼンの前に、二つだけ紙に書いておきます。一つは、話し始める前に言う「今日決めること・決めないこと」の一文。もう一つは、10分が5分になった時に落とすものの順番です。

終わったら、相手が最初に質問した箇所を記録に残してください。その箇所が、次回そのまま結論ブロックへ上げる候補になります。

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よくある質問

資料を事前に送っている場合も、同じ順番で話しますか?

順番は同じですが、結論ブロックの中身を変えます。読んでもらえた前提で読み上げ直すのではなく、「事前に送った中で、気になった箇所はありましたか」と先に聞き、挙がった箇所から話します。何も挙がらなければ、結論と条件だけを短く言い、残りを確認事項の時間へ回します。読んでいない相手を責める言い方はしません。

質問が続いて時間が足りなくなったら、残りは話さなくてよいのですか?

費用と前提、できない範囲、次に誰が何を確かめるかの三つだけは、時間内に言葉で渡します。それ以外は話さずに終えて構いません。「残りは資料の何ページにあります。読んで疑問が出たら、そこだけ聞いてください」と場所を伝えます。質問を止めて用意した説明へ戻すより、出ている質問に答えるほうが判断は進みます。

オンラインのプレゼンでは、何を変えますか?

区切りの合図を言葉にします。対面なら顔を上げれば伝わる「ここまでで一度止めます」を、画面共有中は声で言い、数秒待ちます。相手の沈黙は考えている合図とも、接続や音声の問題とも限らないため、「聞こえていますか」と「ここまでで気になる点はありますか」を分けて聞きます。表情の読み取りで理解度を判定しません。

Your next note

ミナトの答えではなく、あなたの一件へ。

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