営業プレゼンの組み立て
営業プレゼンの組み立て方|10分で判断できる順番にする
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営業プレゼンは、結論・条件・確認事項の順に話します。最初の1分で終了時刻と「この場で決めること」を置き、次の2〜3分で提案の中身と相手の仕事が何に変わるかを言い、費用と前提をまとめて出したら、残りは相手の確認事項に使います。区切りごとに一度口を閉じ、相手が話す番を作ります。
持ち帰る一言順番は資料の章立てではなく、相手が判断に要る順。区切りで口を閉じる
10秒で答え|営業プレゼンは結論・条件・確認事項の順に話す
この記事でいう組み立ては、スライドの章立てではありません。資料を配った後、口頭で話す10〜15分をどう並べるかです。同じ資料でも、話す順番が変われば、相手がその場で決められることが変わります。
会社紹介、業界動向、検討の経緯から始めると、相手が判断に使う情報は後半へ寄ります。前半で相手にできるのは「聞くこと」だけで、判断は始まりません。逆に、結論と費用が前半にあれば、残り時間はすべて相手の確認に使えます。
境界を先に引いておきます。提案書という文書の章立ては「提案書はどう構成する?」が所有します。商談全体の時間配分は「営業で簡潔に話すには?」、実演の進行は「製品デモはどう進める?」です。本稿が扱うのは、その中の「話す順番と止め方」だけ。
営業プレゼンの順番|三つの区切りと、相手へ返す合図
10分を三つの区切りに分けます。時間は商材の複雑さ、初回か継続か、参加者の役割で調整してください。
| 話す順番 | その時間で相手が決められること |
|---|---|
| 0〜1分・最初の確認 | 今日どこまで話を進めるか。終了時刻に何が残るか |
| 1〜4分・結論 | 自分の仕事に関係があるか。今と何が変わるか |
| 4〜7分・条件 | 費用と前提が、自社の枠に収まるか |
| 7〜10分・確認事項 | 誰が何を確かめれば決められるか。次に何をするか |
最初の1分|終了時刻と「決めること・決めないこと」を置く
最初に置くのは挨拶や自己紹介ではなく、この時間の使い道です。「10分で提案の結論と費用までお話しします。今日この場で契約を決めていただく必要はありません」と言い切ってから始めます。
決めないことも同じ強さで言います。判断の範囲が先に狭まると、相手は身構えずに聞けます。「途中で止めて構いません」も添えておくと、後半でやめる合図が出やすくなる。
結論と条件|提案の中身と、相手の何が変わるかを一組で出す
結論ブロックでは、提案の中身と、相手の仕事の何が変わるかを一組で言います。片方だけでは判断材料になりません。「この仕組みを入れます」だけでは他人事で、「業務が楽になります」だけでは何の話か分からない。
変化は、担当者の一日の中の具体的な場面で示します。物語を作るのではなく、いつ・誰が・何をしている時間が、どう変わるかを一つ挙げるだけで足ります。抽象的な効果より、相手が自分の職場へ当てはめやすくなるからです。
条件ブロックは費用と前提をまとめて出します。分割して後半へ回すと、相手は金額を待ちながら残りを聞くことになります。できない範囲、追加費用が発生する条件、前提が崩れる場合も、ここで一緒に言います。金額そのものより、金額が動く条件のほうが持ち帰られます。
区切りの作り方|口を閉じて、相手の番にする
区切りは、話題が変わる場所ではなく、相手が口を開ける場所です。結論ブロックの終わりと条件ブロックの終わりで、一度止めます。
「ここまでで、違うと思ったところはありますか。」
問いかけたら、数秒待ってください。沈黙を自分の言葉で埋めると、相手が話しかけるはずだった一言が消えます。沈黙は理解とも同意とも限らないため、返事がなければ「では、先へ進みます」と言って進み、最後の確認事項でもう一度返します。
プレゼンの時間が半分になったら、経緯と一般論から落とす
会議が押して10分が5分になる場面は珍しくありません。その場で削る順番を決めておくと、慌てて早口になるのを避けられます。
落とす順番は、会社紹介と業界の一般論、検討の経緯、機能の詳細、事例の数です。残すのは、結論、費用と前提、できない範囲、次に誰が何を確かめるかの四つ。この四つが揃っていれば、相手は持ち帰って社内で話せます。
短縮は黙って行わず、最初に宣言します。
「5分になりましたので、結論と費用、確認いただきたい点の三つに絞ります。残りは資料の該当ページをお伝えします。」
早口にして全部話す選択もありますが、判断材料は増えません。聞き取れなかった条件は、後で「そんな話は聞いていない」に変わります。落とすのは説明であって、条件ではない、と決めておいてください。
構成を作った後、説明の伝わり方も見直す一冊
話す順番が決まったら、一つの区切りを声に出し、初めて聞く人にも前提が伝わるかを確かめます。構成を埋めても説明が長くなる人には、藤沢晃治著『「分かりやすい説明」の技術 新装版』が学習の候補です。講談社の商品紹介では、会議やプレゼンを含む説明技術を15のルールで扱っています。
本を読む時も、全部を次の商談に詰め込まず、直したい一つの説明に当てはめてみましょう。今回の10分構成は編集室の例で、書籍の時間配分を引用したものではありません。
営業プレゼンの逆効果と、やめる合図
同じ順番でも、次の形になると相手の判断は止まります。兆候は相手の内心ではなく、場面と行動で見ます。
- 相手が資料を先へめくり始めた。 話している箇所と、相手が知りたい箇所がずれています。「先に気になるページがありましたか」と聞き、順番をそちらへ移します。
- 機能を一覧で読み上げている。 項目が増えるほど、どれが自分に関係あるかは分かりにくくなります。一つに絞り、残りは資料の場所を伝えます。
- 質問を最後まで受けない設計にしている。 「ご質問は最後にまとめて」は、話しきるための都合です。区切りを二つ作れば、最後に質問が残っても時間内に収まります。
- 盛り上げる言葉が増えている。 「画期的」「他社にはない」を重ねるほど、条件の話が薄くなります。相手が確かめられる事実へ戻します。
- 実在しない期限や事例を足したくなっている。 ここは守る一線です。決まっていない値上げ、いない導入先、まだ出ていない成果を言葉にしません。
支援と操作の線引きそのものは「営業心理学は操作になる?」が正本です。
決裁者が同席する場と担当者だけの場|営業プレゼンの変え方と相手の出口
この組み立てが効くかどうかは、その場に誰がいて、何が済んでいるかで変わります。
| その場の状態 | 組み立てをどう変えるか |
|---|---|
| 決裁者が同席している | 結論と条件を前半に寄せ、確認事項の時間を長めに取る。決める人が質問できる時間を優先する |
| 担当者だけが出席している | 担当者が社内で説明し直せる材料に重心を置く。その場での決裁は求めない |
| 相手の課題をまだ聞けていない | プレゼンの前に確認の時間を取る。順番を工夫しても、外れた提案は判断材料にならない |
| すでに他社提案も比較している | 差を主張せず、条件を同じ粒度で並べる。比較しやすさを優先する |
同席者の役割と決裁の流れは「決裁者と担当者は何が違う?」、課題を聞く質問は「営業ヒアリングの質問」が扱います。
相手の出口は、困ってから探させるものではありません。最初の1分で、次の三つを言葉にしておきます。
- 途中で止めてよい。 「気になったところで、いつでも止めてください」
- その場で決めなくてよい。 「今日は持ち帰っていただく前提でお話しします」
- 違えば訂正してよい。 「前提が違っていたら、その場で言ってください」
三つを言っておくと、終盤で相手が保留や見送りを言いやすくなります。出口が実際に残っているかの点検は「自己決定感」で扱います。
この記事の3点
- 判断が進む条件:結論、条件(費用と前提)、確認事項の順で、相手の判断に要る順に話す。区切りで口を閉じる。
- やめる合図:相手が資料を先へめくり始めた。機能を読み上げている。質問を最後まで受けない設計になっている。
- 相手の出口:「途中で止めてよい」「今日決めなくてよい」「違えば訂正してよい」を、話し始める前に言う。
会話例|ミナトが直した、最初の一言
ミナトが編集室へ持ち込んだ商談記録です。社名と価格は外してあります。
15分の予定でした。ミナトは会社紹介と導入実績から話し始め、費用の説明に入ったところで残り2分。相手は資料の後半を先にめくっていました。質問は一つも出ず、「社内で共有します」で終わりました。
ミナト
資料は順番どおりに作ってあったので、その順番で話すのが正しいと思っていました。でも、相手が見ていたのは僕が話している箇所ではなく、後半の費用のページでした。
今なら、最初に「10分で結論と費用までお話しします。途中で止めて構いません」と言います。めくり始めたところで、「先に気になるページがありましたか」と聞きます。
直したのは話の中身ではなく、置く位置と止め方です。同じ資料でも、費用が前半にあれば、残り時間は相手の確認に使えます。相手がめくった行動は理解度の証拠ではなく、順番を変えるきっかけとして扱います。
説明を足すほど商談が重くなった場面は、物語「説明しすぎて、商談が重くなった」でも描いています。
説明の最初と最後に何が残るかを考えるときは、初頭効果・新近効果(系列位置効果)も参考になります。
今日の一手
次のプレゼンの前に、二つだけ紙に書いておきます。一つは、話し始める前に言う「今日決めること・決めないこと」の一文。もう一つは、10分が5分になった時に落とすものの順番です。
終わったら、相手が最初に質問した箇所を記録に残してください。その箇所が、次回そのまま結論ブロックへ上げる候補になります。
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よくある質問
資料を事前に送っている場合も、同じ順番で話しますか?
順番は同じですが、結論ブロックの中身を変えます。読んでもらえた前提で読み上げ直すのではなく、「事前に送った中で、気になった箇所はありましたか」と先に聞き、挙がった箇所から話します。何も挙がらなければ、結論と条件だけを短く言い、残りを確認事項の時間へ回します。読んでいない相手を責める言い方はしません。
質問が続いて時間が足りなくなったら、残りは話さなくてよいのですか?
費用と前提、できない範囲、次に誰が何を確かめるかの三つだけは、時間内に言葉で渡します。それ以外は話さずに終えて構いません。「残りは資料の何ページにあります。読んで疑問が出たら、そこだけ聞いてください」と場所を伝えます。質問を止めて用意した説明へ戻すより、出ている質問に答えるほうが判断は進みます。
オンラインのプレゼンでは、何を変えますか?
区切りの合図を言葉にします。対面なら顔を上げれば伝わる「ここまでで一度止めます」を、画面共有中は声で言い、数秒待ちます。相手の沈黙は考えている合図とも、接続や音声の問題とも限らないため、「聞こえていますか」と「ここまでで気になる点はありますか」を分けて聞きます。表情の読み取りで理解度を判定しません。
Your next note
ミナトの答えではなく、あなたの一件へ。
今日ノートへ書くのは、次の一行だけでも構いません。持ち帰る候補を端末内へ残し、明日の商談で試すかどうかは後から選べます。
明日の一件で、ひとつ試してみたい問いを選んでください。
マイ商談ノート
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