商談の入口と準備

商談前に準備すること|目的・質問・資料を一枚にまとめる

商談前に準備する5項目は目的、確認済み情報、質問、資料と条件、次の行動。未確認は分けて残す

読了目安 約9分 · 公開 · 更新

商談前は、目的・確認済み情報・質問・資料と条件・次の行動を一枚にまとめます。説明資料を増やす前に、相手と何を確かめる時間なのかを整理しましょう。

初回は相談の範囲、提案商談は条件が合うか、再商談は前回からの変化を確かめます。資料も今回の段階に合わせて選びましょう。

5項目は整理のための目安です。一枚に収める必要はありません。日時・参加者・接続や入館など、実施に必要な条件も確認します。

商談前の準備チェックリスト|そろえる5項目

準備メモの未確認欄は推測で埋めず、当日聞くことと事前に担当者へ確認することに分ける

分からない欄は推測で埋めず、「当日聞く」「事前に担当者へ確認する」と扱いを決めます。

準備する項目 書いておく内容
今日の目的 相手と何を確認・判断する時間にするか
事前情報 本人から聞いたことや資料で確認した事実。仮説と未確認は別にする
優先する質問 最初に聞きたい2〜3問と、それを聞く理由
資料と説明できる条件 判断に必要な資料、価格・範囲・納期、持ち帰りが必要なこと
次の行動 追加資料、社内確認、次回相談、または今回は区切るという候補

「受注する」は営業側の目標です。相手との目的には「困っている作業を確認する」「二つの案を比べる」など、当日扱うことを書きます。未合意の次回日程や宿題は、候補のまま残してください。

商談準備で調べた情報を、確認する質問に変える

確認した事実と自分の仮説を分け、本人へ聞く質問にする。答えに応じて仮説を見直す

確認できた事実と、課題の仮説を分ける

問い合わせ、前回のメモ、共有資料を読みます。引き継いだ案件は、過去の約束と未回答の質問から確認しましょう。相手に同じ説明を求めずに済みます。

情報には出典と確認日を添えます。会社全体の方針だけで、担当者の困りごとを決めつけません。

メモの区分 記入例
確認済み 会社の公表資料に拠点を増やす計画がある。資料URL・確認日を記録
仮説 拠点間の報告に手間がかかるかもしれない
未確認 今回の相談が拠点拡大と関係するか、本人にはまだ聞いていない

「公表資料で拠点を増やされる予定を拝見しました。今回のご相談にも関係するお話でしょうか」と確認できます。関係がなければ仮説を手放し、相手の相談へ戻ります。情報源の選び方は「営業の企業リサーチ」へ。

優先質問には「何を判断するためか」を添える

質問は、今日の目的に必要なものから選びます。2〜3問は最初の会話の手掛かりであり、商談全体の質問数の上限ではありません。

知りたいこと 初回商談での質問例
相談の背景 「今回、この件を相談しようと思われたきっかけは何ですか」
現在の業務 「現在は、どなたが、どのような流れで対応されていますか」
困りごとの具体像 「直近では、どのような場面で困りましたか」

問い合わせにある内容は「○○と伺いました。その理解で合っていますか」と確認し、足りない点へ進みます。質問を順番に消化する必要はありません。作り方と聞き返しは「営業ヒアリングの質問」へ。

役職だけで決裁権や現場経験を決めつけず、必要なら冒頭で役割を確認します。予算や社内手続きは聞く目的を添え、共有できる範囲で尋ねてください。答えがなければ、提案条件を推測せず未確認のまま残します。

商談資料の準備は、用途と回答できる範囲を決める

資料が答える疑問、共有してよい範囲、自分が回答できる範囲を確かめ、必要な資料と確認先を用意する

資料ごとに「どの疑問に答えるか」を書き、最初に説明するものを選びます。

  • 価格を比べるなら、金額と対象範囲・対象外条件が分かる資料
  • 導入負担を相談するなら、顧客側と提供側の作業を分けた資料
  • 運用を確認するなら、実際の利用手順やデモ

補足資料は必要になったときに開ける状態にします。最新版か、相手に共有してよいかも確認してください。

価格・納期・個別対応は「説明できる」「社内確認が必要」「回答できない」を分けます。同席者がいても回答可能とは限りません。進行・説明・記録・回答判断の担当をそろえましょう。

その対応は、いまの資料では確認できていません。担当部署に可否と条件を確認し、回答の見通しを含めてご連絡します。

可否を回答できる日が不明なら、まず進捗を伝える日を相談します。進捗の連絡日を、確定回答の期限として約束しないでください。詳しい返答例は「質問に答えられないとき」で紹介しています。

初回・提案・再商談で、準備の重点を変える

初回商談は相談の範囲、提案商談は条件の比較、再商談は前回からの変化を中心に準備する
商談の段階 先に準備すること 当日確かめること
初回 問い合わせの内容・参加者・相談の背景 何を相談する時間か、現在の業務はどうなっているか
提案 前回の課題と提案のつながり、同じ項目で比べられる案 範囲・費用・顧客側の作業・対象外条件が合うか
再商談 前回の宿題、約束した回答、残っている確認事項 前提や希望に変化はないか、今回は何を進められるか

初回でも製品説明を求められたら、知りたい点から説明します。再商談に新しい参加者がいれば、経緯の共有状況を確認し、短い再導入を用意しましょう。

商談準備メモのテンプレートと記入例

準備メモでは確認済みと仮説・未確認を分け、次の行動は相手と相談する候補として残す

報告業務の見直しを相談された、架空の例です。実在企業の事例や導入実績ではなく、日時・所要時間も例の設定です。

商談の予定
初回相談。○月○日14時、30分、JST。オンライン招待は承諾済み。
参加者は業務担当者と管理者。接続先・当日の連絡先は確認済み。

今日の目的
現在の報告の流れと、見直したい工程を確認する。
製品が合うかの判断材料をそろえる。

確認済み
問い合わせには「担当者によって報告の方法が違う」と記載。
問い合わせメールの日付と保存先をメモに添える。

仮説・未確認
集計に手間がかかっている可能性がある。作業時間や影響はまだ聞いていない。
契約時期と予算は未確認。

優先する質問
・現在、報告が集まるまでの流れはどうなっているか。
・直近で、報告方法の違いが問題になった場面はあるか。
・今回の見直しでも残したい運用は何か。

用意する資料・回答の範囲
標準機能、顧客側と提供側の作業を分けた導入手順、標準の対象範囲を用意。
既存様式の流用、個別機能、開始日、特別価格はその場で約束しない。
個別対応は技術担当、価格は承認者へ確認する。

実施の条件と担当
進行・説明は営業A、記録は同席B。音声と画面共有を事前確認。
共有は説明用データのみ。別案件の資料や通知は画面に出さない。
録音は行わず、記録は社内で決めた保存先へ。接続不良時は事前に合意した連絡先へ相談。

次の行動の候補
提案が必要なら、対象業務と追加資料を相談する。
条件が合わなければ、合わない点を確認して区切る。

自分の案件では各見出しを使い、未確認には確認先か質問を添えます。相手へ共有する議題・時間配分は、社内の準備メモと分けて「商談アジェンダ」に整えましょう。

準備した商談目的を、最初と最後にすり合わせる

商談の冒頭で目的を確かめ、終わりに残った確認事項と担当を確認する。次回の予定は相談して決める

冒頭では、こちらで考えた目的を相手にも確認します。

本日は、現在の報告の流れと、見直したい点を伺えればと思っています。ほかに、今日確認しておきたいことはありますか。

希望が違えば目的を調整します。準備メモは確認漏れを防ぐために使い、相手を予定の順序へ従わせません。

終わりには、確認できたことと残ったことを短くまとめます。

今日確認できたのは○○で、△△は引き続き確認が必要、という理解です。こちらでは□□を確認します。次のご相談は、どの段階にしましょうか。

次回日程が決まらなくても、確認事項・担当・連絡する条件を相談できます。当日の記録は「商談でのメモの取り方」へ。

商談準備の時間がないとき、何を優先する?

商談準備が足りないときは実施に必要な条件を先に確認し、当日確認できること、範囲を限定すること、日程や方法を見直すことに分ける

過去の約束・今日の目的・最初の一問・回答できないことを先に確認します。企業情報を広く集める前に、前回の宿題を見ましょう。

実施の条件は、相手とのメールや招待へ戻って確認します。招待を送ったことと、承諾されたことは別です。

  • 対面:日時・場所・参加者、入館手続き、必要な本人確認、持ち込み機器・電源・資料
  • オンライン:接続先、音声、画面共有、デモ環境・アカウント、代替の連絡手段
  • 共通:共有権限、機密・個人情報、録音・撮影の同意と保存先、訪問先や自社の規則、安全上の条件

不足がある場合は、その項目と今日の目的の関係で判断します。

不足していること 対応
目的の細部や相手の役割など、本人に聞けること 未確認と分かるように残し、当日確認する
一部の資料・回答がなくても、別の目的を果たせる 相手へ不足と扱える範囲を事前に伝え、範囲を限定する
必要な権限・安全・入館・接続、目的に必要な条件を用意できない 関係者へ相談し、日程・方法・議題を見直す

見積承認が間に合わなくても、現状確認が目的なら、価格回答をしないと伝えて進められる場合があります。価格判断が目的なら見直しが必要です。参加者の不足も、その人の判断が今回必要かで考えます。

資料を足す前に、残った未確認を「当日聞く」「担当者へ確認する」「予定を見直す」のどこで扱うか決めてください。

ミナトのメモ|資料を増やしていたころ

ミナト

準備の終わりが分からなかったんです。不安が消えるまでやろうとすると、資料はいくらでも増やせる。そして当日は、増やした資料を全部説明しようとしていました。

よくある質問

商談準備メモを、そのまま顧客へ送ってもよいですか?

社内向けの準備メモには、未確認の仮説や社内の承認条件が含まれます。そのまま送らず、共有してよい目的・議題・確認したい項目を選び、相手向けのアジェンダに整えます。機密情報や他社の情報を含めないよう確認してください。

Your next note

ミナトの答えではなく、あなたの一件へ。

今日ノートへ書くのは、次の一行だけでも構いません。持ち帰る候補を端末内へ残し、明日の商談で試すかどうかは後から選べます。

明日の一件で、ひとつ試してみたい問いを選んでください。

マイ商談ノート

今日、残しておく候補

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商談準備の3分練習:最初の一問を決める

自分の場面で確かめる一問を書く

  1. 次の商談の目的を一つ決める。
  2. 本文の準備メモと照らし、目的に関わる未確認事項を一つ選ぶ。
  3. 冒頭で確かめる一問を書く。

必要な権限や実施条件が足りない場合は、先に担当者へ相談します。

自分の場面を「事実・解釈・未確認」の三欄へ書き直すなら、五冊目の読者ケースを使う。 送信せず、この端末だけで使えます。

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